ステルステーパリング
英語ではstealth tapering(ステルステーパリング)で、そのまま日本語になりました。ステルスはレーダーに捕捉されないステルス戦闘機で有名になったステルスのことで、隠れて、こっそりとという意味です。テーパリングについてはリンク先を参照ください。
つまり、中央銀行が公式の発表をせずにひそかにQEの縮小を行うことです。日銀は2018年7月31日の金融政策会合でQEを続けると発表しましたが、実はすでにステルス・テーパリングを実施しているという噂が上がっていました。
その根拠は、過去に為替操作国に認定された歴史があり、円高への為替介入を行ってきた実績を持つ日本が、同じ同盟国であり、為替介入は行わない姿勢で知られるEUが、中国と共に為替操作国としてトランプ大統領に批判されたにもかかわらず日本がされなかったのは9月の自民党総裁選に臨む安倍首相を慮ってのものだというものです。ETF買入政策では買入額の減少に動いているとの見方もありました。
もし本当だとすると、円高要因となるわけですので、ミセスワタナベも注目すべき用語となってきました。しかし、2018年末のFEDの利下げ路線への転換でとりあえずは杞憂に終わりましたので、FX入門者や初心者の方はご心配なく!
実際、2021年11月現在、ステルステーパリングという言葉は聞かれなくなりました。しかし、ブルームバーグの記事にあるように、ECBのラガルト総裁が9月に第4四半期にパンデミック緊急購入プログラムの購入ベースを減速されると発表しました。テーパリングを開始したにも関わらず、これはテーパリングではないというハト派発言をして以来新型コロナウイルスの感染の再拡大もあり、ユーロは下落し続けています。明らかなテーパリングにもかかわらず否定しているので、これはある意味、ステルステーパリングともいえるのかもしれませんね。
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