FRB/FED/連邦準備制度理事会
英語でFederal Reserve Board(フェデラルリザーブボード)の頭字語、連邦準備制度理事会のことです。アメリカの中央銀行にあたり、理事長を中心に7名の理事から構成されています。
米国でも混同されているためか日本でもFED(フェド)という言葉がよく用いられますが、これはFederal Reserve System(フェデラルリザーブシステム)の頭字語であり、アメリカの中央銀行制度である連邦準備制度そのものを指すことになります。
FEDが動いたという言い方がよくされていますが、動くのは、制度ではなく理事会なので、厳密にはFRBの間違いです。しかし、そこまで厳密に使い分けている方は米国でも少なく、FED、FRBどちらでも問題ないと思われます。
中央銀行ですから日銀同様その主な業務は、国債などの売買による公開市場操作、金融政策の実施、市中銀行の管理と規制となります。 また、ニューヨーク、ボストンなどの主要12都市にある連邦準備銀行を統括する組織でもあります。
この12都市の連邦準備銀行から選出される5人の総裁とFRBの7人の理事からなる金融政策の最高決定機関がFOMCです。
今井先生によると、FXにとって最も重要なのが米国の為替政策です。それを決定するFRBの動向は必ずウォッチしなくてはなりません。
2018年12月末のパウエル議長のハト派への豹変により、2019年に2回の利上げが予想されていたドットプロットが1回に、利下げの噂まで飛び出し、急落していた米国株価は2月まで10週間連続上昇という1995年以来の記録を打ち立てました。ベアマーケットが再びブルマーケットへと戻ったわけです。それに連れて108円台(フラッシュクラッシュによる105円台までの急落は除く)から112円台までドル安が進んだのは記憶に新しいところです。
しかし、2019年3月21日のFOMCでパウエル議長が2019年の利上げ回数を0回とし、バランスシート縮小策も9月に停止するというさらにドビッシュな発表を行い、ドル円は110円まで下落しました。トランプ大統領に任命されたパウエル議長は大統領のいいなりとなり利上げから利下げに転じたわけで、さらに10月からは隠れQEと呼ばれる金融緩和政策も始めています。
評判の良かったイエレン議長が退任となりパペットのようなパウエル議長の登場で、FEDの独立性がトランプ大統領時代になり改めて議論されているのも仕方がないことだと思われます。トランプ時代には喋れば米ドルが下がると言われ、市場との対話が下手だといわれていたパウエル議長ですが、バイデン大統領時代になると評価が高まっています。2022年2月に任期満了となりますが、次期総裁候補にもブレイナード氏とともに候補に上がっています。パウエル氏続投なら市場は平穏だが、ブレイナード氏ではリスクと言われており、市場の評価が変化したようです。そして、再任されるや、オミクロン株の脅威でリスクオフの中でもテーパー方針は変わらないとタカ派発言を行い、市場を驚かせました。
繰り返しになりますが、FX入門者や初心者の方はFEDの議長だけでなくブレイナード理事やボスティック総裁など有力な理事や総裁の発言にも要注意です!
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