FX初心者向け入門・始め方と口座比較

ドットプロット

英語ではDot plot(ドットプロット)で、そのまま日本語となりました。元々は統計用グラフの一つであり、棒グラフのように棒で値を表すのではなく、ドット、つまり、点で値を表すものを指しました。点で表すという意味では散布図の一種ですが、棒グラフのようにテータを縦軸に表す点が異なります。

 

そこから転じて、経済用語としてはFOMC後に発表される米国の政策金利見通しを意味しています。金利見通しを点で表現していることから名付けられました。

 

2018年12月19日のFOMCでFRBは政策金利を2.25~2.5%へと0.25%の利上げを行いましたが、2019年の金利引上げ回数は前回の3回から2回へと引き下げ、2.75%~3%を目標金利としました。

 

2019年12月19日発表のドット・プロット:出典 ブルームバーグ

2019年12月19日発表のドット・プロット:出典 ブルームバーグ

 

これは概ね予想通りだったのですが、S&Pが年初来安値を更新中の中で利上げを実行し、ドットプロットも2019年1回ではなく2回だったために、米国株式市場はパウエル議長の講演後上昇から下落に転じ、翌日の日経平均株価も600円以上下げ10日のTOPIXに続き遂に年初来安値を更新しました。

 

その結果、ドルインデックスが急落し、米ドル/円も2ヶ月ぶりに112円を割り込み、ユーロ/米ドルも11月も戻り高値を超え、1.14台後半へと上昇しました。

 

そして2018年末にパウエル議長がトランプ大統領の圧力や株価暴落の影響なのか2019年のドットプロットを1回に変更する発言、年末から3月にかけて米国株価は上昇を続けています。さらに3月20日のFOMCでは19年のドット・プロットを0回に変更、保有国債の縮小であるバランスシート縮小も5月からは毎月最大300億ドルから150億ドルに半減し、9月に終了するという予想外のドビッシュな内容となり、111円台で推移していたドル円は110円台に急落しました。

 

このようにドット・プロットはFX 市場に大きな影響を与えることがあるので、FX入門者や初心者の方もFOMC 後には政策金利だけでなく、こちらにも注意を払うことを習慣づけましょう!

 

その後新型コロナウイルスの流行による2度の緊急利下げで2020年から米国の政策金利は0~0.25%が続いています。2021年11月のFOMCではテーパリングの開始が決定されました。しかし、インフレは一過性のものとされ、利上げ予想が遠のき、米ドル/円を始めとして円高が進みました。しかし、JETROのニュースにあるように11月10日に発表された米国のCPIが31年ぶりとなる6.1%もの上昇となり、一気に利上げ期待が高まりました。2022年の利上げは2回ではなく3回となり、テーパリング終了も6月から3月に繰り上がるのではとなり、ドルインデックスが急騰しました。

 

そこに、サンクスギビングで商いの薄い11月26日にはワクチン効果が弱い新型コロナウイルス変異株が南アフリカで発見されたと伝わると、利上げ予想が遠のきリスクオフにも関わらずクロス円よりも米ドル円がより大きく下落、ドットプロットの見通しが再び不透明となりました。

 

2022年にはドットプロットが話題に上りそうですね。

 

 

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