FX入門〜初心者は相場観、相場感、相場勘を比較し、2つを身につけよう!
FXでは相場観(相場感)を身につけることが必要
今回の「今井流初心者向けFX入門・始め方と口座比較」講義は、入門者から脱初心者を目指す方にはまず相場観(相場感または相場勘)のいずれかを身につけて頂きたいというものです。これも勝利のキーとなる一つです。それでは始めていきましょう。
常にトレードを繰り返すサラリーマンプロ為替ディーラーは儲けられない!
為替ディーラーは、実はサラリーマンです。常時「上がった、下がった」と一喜一憂しているのを見るとギャンブラーのように思われるかもしれませんが、れっきとした金融機関の従業員です。当然、所属する会社の社員証も持っています。
ただし、日本でいうところの一般的なサラリーマン像で為替ディーラーを務めようとすると、恐らくは上手くいきません。サラリーマンには上司がいます。とくに、私がそうであったように日本の銀行員の場合は、上司に気に入られていくらです。
したがって、上司の目が光っている以上、「一生懸命働いていますよ」という姿勢を見せなければなりません。実は、こういう行動パターンが、為替ディーラーとしては命取りなのです。
常に一生懸命働いているところを見せたいがために、売買を繰り返しているタイプのディーラーがいます。私の経験上、このタイプで失敗せずに継続して利益を出すことができた方は、ほとんどいません。
「FX入門〜初心者は難しいレンジ相場では勝負せず、簡単なトレンド相場で勝負!」で解説したように、市場の流れが自身にとって不利な状況のときは勝負から降り、自分にとって有利な状況になるのを待つことが大事なのです。
レンジ相場ではあまり動かず、トレンド相場で一気に動くディーラーが勝利する!
逆に、継続して利益を上げることができている為替ディーラーは、レンジマーケットのときには、「いいんだよ、結果さえ出せれば」などと嘯いて、昼寝を決め込んでいます。
ところが、市場に何か大きな変化が現れトレンドマーケットに変わったと判断すると、途端に起き上がって一気にトレードをしまくり、大きな利益を出すのです。
周りのサラリーマン・ディラーからすれば当然のことながら面白くなく、「なんで彼ばかり上手くいくんだ」などと、妬まれることになりますが、入門者や初心者の方はこうした通常のサラリーマンとは異なるディーラーを見習うべきなのです。
レンジ相場の間に独自のシナリオを立て、ブレイクすると同時にエントリーする!
そして、みなさんに勘違いをして頂きたくないのでこうした優秀な為替ディーラーの名誉のためにいわせてもらうと、彼らは寝ているようにみえるあいだも、実はさまざまなシナリオを考えながら、次のチャンスがくるのを待っているのです。
じっと値動きを見る。最初は上下に大きく変動していたのが、少しずつ動きが小さくなっていく。売買の力が拮抗し、どちらに動くのかが見えにくくなっていく瞬間です。市場参加者の多くは、どんどんじれてきます。そして、ふと上か下に抜けた瞬間、いままで居眠りを決め込んでいた優秀なディーラーは、一気に動きます。
上に抜ければ買いであり、下に抜ければ売りです。それはもう、一気呵成に、畳みかけるようにどんどん注文を出していきます。こういう場面は、早い者勝ちの世界です。
為替市場に参加している投資家はみな、常に利益を上げるチャンスを待っています。マーケットの動きがどんどん小刻みになっていく過程で、誰もが次に大きく動くチャンスを、じれながら待ち構えているのです。こうした局面では、どちらか一方にマーケットが動くと、売りでも買いでも一気に動意づきます。
たとえば、上昇したのであればその瞬間を捉えて買いでエントリーし、他の投資家が相場についてきたときを見計らって、エグジットすればよいのです。
ところが、凡庸なトレーダーは、みなが買いに動いているときにようやく目を覚まして、同じ買いのポジションを取ります。その結果、自分だけ高値を摑まされて、あとはどうにもならなくなるのです。
相場のブレイクを見極めるためには過去の動きを研究し、常に市場をウォッチする!
それでは、どのようにしてマーケットが動く瞬間を見極めればいいのでしょうか。それこそ、準備が大事なのです。
マーケットはあくまでも「因果の世界」です。次の動きがそれまでの経過と無関係なところで突然始まるということは、決してありません。過去に起きた出来事の影響を受けて、次の市場が形成されていくのです。そのためには、FX入門者や初心者の方でも常にマーケットの動きをウォッチしている必要があります。
どんどん値動きが小さくなっていけば、「あれ、変だな」「何か動きそうだな」ということに気付きます。あるいは、直前に一気に上昇していれば、大きく下落する可能性があります。
この、「何かありそうだな」という感覚をもてるようになれば、為替投資家として一流になれるはずです。
相場観や相場感を養うためには好奇心、想像力と訓練が必要!
では、こうした気付きは、どうすれば身につくのでしょうか。ここで大事なのが、訓練と好奇心、そして想像力です。
株式の銘柄発掘では、自分の生活に身近なところで起きている現象に目を向け、そこからどの会社の株式に投資をすれば利益を上げられるかを考える、という手法があります。いまこの商品が売れている、そうであればこの会社が成長するだろう、といった具合に想像を働かせていくわけです。
FX入門者や初心者の方は、為替取引でも、同様のことをすればいいだけなのです。
「これから 米ドルは買われるはずだ、ユーロは売られるはずだ、理由はこういうことが考えられる」というように、ニュースなどを参考にしながら、ご自分なりにシナリオを描いていくのです。
もちろん、ご自分の想定どおりに動かないこともあるでしょう。そのときは、どうして動かなかったのかということを、検証してみるのです。これが、訓練です。
この訓練を繰り返すことによって初心者の方でも、さまざまな出来事に対して興味をもつようになり、並行して為替市場における相場観(カン=感)も身についていくのです。
想像力を養うための訓練は、それこそ、どんな場所でもできます。
たとえば、電車に乗っているときに、自分以外の乗客がどこで降りるのかを想像してみるのです。この方の服装からすると職業は多分〇〇だから恐らくあの駅で降りるのではなどと考えているうちに、徐々に当たる確率も高まっていきます。日常のさりげない材料をベースにしても、十分に想像力の訓練はできるものなのです。
入門者から脱初心者を目指す方まで、日頃からぜひこうした想像力を養う訓練を習慣付けてください。FXの失敗しない始め方の第一歩です!
松田遼司の解説
この第1章3番目の記事では、今井先生は前回の最後に触れた相場観や相場感を身につける重要性を説いています。前回に続き、レンジ相場ではあまり動かず、トレンド相場で一気に勝負するべきと解説されています。「休むも相場」が重要ということですね。
ブルームバーグの記事にあるように、5月4日深夜3時のFOMCまでは相場は動きませんでしたが、パウエル議長が0.75%の利上げは行き過ぎとコメントすると米国債金利は急落、米国株は急上昇し、130円台だった米ドルは大きく売られ128.5円をつけました。それまで様子見だった優秀なディーラーが一気に動いたということでしょう。
こういう際には株式と異なりFXでは勢いがあるので、流れに逆らわないことが重要です。オーバーシュートすることが多いのです。遅れた場合は量を多くしてpipsを小さくするのが常道のようです。
先生の仰るように準備が大切です。事前に情報を集めて、シナリオを立てておくのです。この場合は0.5%利上げならば米ドル安、0.75%ならば米ドル高と仮説を立てて、3時の0.5%という発表で米ドル/円をショートすればよかったわけです。ただし、0.75%も議論されたと議長が発言していたならば、突然ドル高となった可能性もありますが。
さらに、これは自分が行ったことですが、日銀とFEDの政策の違いにより一時的に米ドル安であってもすぐに米ドル高に戻すだろうと考えるのです。これは相場観なのか相場感なのかはっきりわかりませんが、経験の中でそのように見えたわけです。先生の教え通りに、普段から相場がどうなるかを想像することを長年行ってきた結果だと思っています。翌日5月5日にはほぼ130円まで相場は戻し、行って来いになりました。
こういう時に一気に勝負までいけないのがまだまだですが、少なくとも損はしなくなったのは、相場感が養われたからだと思っています。
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