経常赤字国
経常収支が赤字の国のことです。英語ではcurrent account deficit countries(カレント・アカウント・デフィシット・カントリーズ)となります。
経常収支とは、一言で言うと、その国の収支が海外に対して黒字なのか、赤字なのかということで、居住者と非居住者との間で行われた経済活動である国際収支の状況を指します。
輸出入の収支である貿易収支、海外旅行や国際輸送などが黒字か赤字かをみるサービス収支、親会社と子会社間の配当や利子などからなる直接投資収益と投資した金融商品の配当や利子である証券投資からなる第1次所得収支、本国居住者と海外居住者間の収支でさる第2次所得収支の4つで構成されています。
経常赤字国は、海外からの資金を誘致して赤字を埋めようとします。米国のような格付け会社からの評価が高い先進国の場合は国際信用度が高いため、国債を発行しても、高価格(低金利)で購入してもらえます。そのため、あまり問題とならないわけです。
日本も実はおそらく米中貿易戦争により中国への輸出が減少しているためと思われますが、最近は貿易収支の赤字が続き、経常収支も赤字ですが、問題となっていないことはご存知の通りです。
しかし、格付けが低い場合は先進国であっても信用度が低いため、金利を高くせざるを得ないわけです。ポピュリスト政権が誕生してEUと揉めていた近年のイタリアがあてはまりますよね。
まして、エマージング市場の国々が国債を発行する際は低価格(高金利)にしなければ買い手がつかなくなるわけです。
高金利につられてエマージング通貨でFX取引をする際は、通貨の暴落の危険もありますので、最小限のヴォリュームやレバレッジに抑えるなど、FX入門者や初心者の方は特に気を付けましょう!
実際、ミセスワタナベの間で高金利により2018年頃から人気だったトルコリラはその後下落を続け、スワップポイント狙いの投資家は退場を余儀なくされました。2021年11月には10円を切り値頃感からロングした投資家もいたでしょうが、金利を上げるどころか下げるというエルドリアン大統領の暴挙により、その後も下落を続け、12月17日現在はついに7円を切っています。
2022年は先進国が利上げへと舵を切るので、歴史に例のない世界的な金融緩和も終わりを迎え、先進国への資金の還流が起こるでしょう。高金利通貨については値頃感から買うのではなく、戻り売りを狙うべきでしょう!
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