QE/量的緩和
英語のQuantitative Easing(クオンティテイティブ・イージング)の当字語です。日本語では量的金融緩和政策と訳されます。
金融市場の安定のために短期金利を引き下げるのが景気刺激政策の基本ですが、日本では90年代から深刻なデフレに見舞われ、金利がゼロに達してしまい引き下げの余地がなくなってしまいました。そこで、日本銀行が2001年に世界で初めて開始したのがこの量的緩和です。
リーマンショック後にFRBが導入したのが2008年で、その際にQE(QE1) として世界に知られるようになりました。アメリカではその後QE3まで2014年にかけて実施され、ECBやBOEでも導入されました。
簡単に言うと、中央銀行が金融機関から国債などを大量に買い上げ、市場に大量にお金をばらまくという手法です。ブルームバーグの記事によると日銀の国債保有を中心とした資産はは2018年に遂にGDPを上回ったとのことです。国債価格が暴落したら大変なことになります。黒田日銀総裁が続投に消極的だったのは、こうした懸念もあるのかもしれないですね。
リーマンショック以降、世界規模の未だかつてない大規模の量的緩和により溢れかえった資金が商品市場や不動産市場に流れ込み、世界中が日本のバブル期ほどではないですが、プチバブルとでもいうべき状況となっています。
例えば、アメリカの株式市場は、2009年からなんと10年も続くブルマーケットとなっています。先進国だけでなく、エマージング市場にまで資金が流れ込み、プチバブルのような状況は世界の果てにまで及んでいます。
2018年末に利下げ路線に転換したFEDが2019年10月には隠れQEを再開したとの声も聞かれます。
相場の上昇は、いつかは終焉を迎えます。宴の終わりは2020年11月の大統領選挙後という説がマジョリティーでした。しかし、新型コロナウイルスの流行により、世界中が緊急措置としてのQEを再開しました。その結果、2020年3月を底として、コロナは収束していないのにもかかわらず、世界的な史上例のない金余りを引き起こし、株価は上昇を続けています。
2021年11月、遂に米国でもテーパリングが開始されました。相場は本来なら落ち着くはずですが、利上げは早くても2022年である、半ばまでは資金供給も続きます。相反して動くはずの米ドルと金が同時に上昇する、7月にはバフェット指数が200を超えているのですが、株価は崩れることはないようです。
個人的にはQEをハードランディングを恐れずにQEをより早いペースで収束させるべきだと思うのですが、バブルを破裂されたという汚名を歴史に残したり中央銀行総裁などいるはずもないですよね?
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