トルコリラ
英語ではTurkish Lira(ターキッシュリラ)。トルコ共和国の通貨で2009年に新トルコリラから現在のトルコリラという元の名称に戻りました。 高いスワップポイントを狙う個人投資家の間で、南アフリカランドに代わり、非常に人気となっていました。
その理由は、2017年12月に0.5%利上げを実施し12.75%という高金利となり、当時6.75%だった南アフリカランドの2倍近い高金利となったためです。その高金利を宣伝するFXサイトも多く、スワップトレードを好むミセスワタナベの参入が増えました。しかし、当初から、多くの方が損失を出してしまったようです。
近年のトルコは、多額の債務残高を抱え、10%以上もの高インフレと高金利が続いています。地政学リスクも、ISの主要拠点が殲滅されたとはいえ未だに内戦状態にあるシリアやイラクと隣接し、両国在住のクルド人の力が強まりその独立問題がさらに激化しているなど、改善される見通しはありません。
トルコリラの購入は、なくなってしまっても問題のない、本当の余裕資金のみで行うように注意しましょう!実際、2018年8月10日にはミセスワタナベ狩りが起こり、19円台から16円台に急落しました。
さらに、2019年にはアメリカの金利が2%に引き上げられ、欧州でもテーパリングが進みQEの終結を議論しており、今後はエマージング市場に流れた資金は先進国に還流する(レパトリエーション)と予想されます。いくら金利が17.75%にまで引き上げられたといっても、逆に考えると、トルコ政府がそれだけ金利を上げざるを得ない上記のような状況であることを認めたということです。スタグフレーションに陥る可能性が出てきているということです。
しかし、新型コロナウイルスの流行によりFEDが金融緩和に踏きり、金利は0~0.25%となりました。世界中の中央銀行が追随したので、世界中でお金が余ってしまい、レパトリは逆流しました。レバレッジを1倍〜2倍に低く抑えることが条件ですが、スワップポイントを狙う外貨預金のようなトレードはこの時点ではありだったのかもしれません。実際、南アフリカランド/円などは2020年4月の5.6円を底に上昇し、2021年5月には8円をつけました!週足や月足も参考にして中長期での底で購入することは今井先生も本文で推奨されています。FX入門者や初心者の方も参考にしてみてください!こうした時期に余裕資金でSBIFXトレードで高金利通貨を積立預金を始めるのはおすすめできます。
ただし、トルコリラに関しては、ランドやメキシコペソなど他の高金利通貨とは異なり、下落を続けました。エルドリアン大統領の方針で利上げを主張する中央銀行総裁を更迭、利下げに転じていたからです。2020年3月には9.75%と10%を切りました。その後8.25%まで落ちましたが、ようやく9月に10.25%となり利上げに舵を切りました。2021年3月には19%まで上昇しました。しかし9月には再び18%に利下げを行い13円台まで上昇していたトルコリラ/円は12円台に下落しました。2021年11月18日には3ヶ月連続で利下げを実施し、23日には遂に10円を割ってしまいましたが、底がみえません。円だけでなく、ドルに対しても市場最安値を更新しています。
「今井雅人によりFX初心者のための入門・始め方と口座比較」では口を酸っぱくして、トルコリラには手を出すなと言い続けてきました。残念ながらその予測は的中してしまったということですね。高金利通貨の中でも独裁者が支配する国家はこのように中央銀行が独立を保てていません。民主主義国家の通貨を選択するようにしてください!
SBIFXトレードと銀行口座での外貨預金の比較とSBI積立FXの始め方
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