ハイパーインフレーション
英語のHyperinflation(ハイパーインフレーション)がそのまま日本語となりました。正式にはハイパーインフレーションでその略語です。物凄い勢いで急激に進行するインフレのことを指します。
国際会計基準の定義では3年間で累積100%、累乗では年率26%ほど、という定義があるようですが、年率25%近くに達したインフレ率はハイパーインフレと呼ばれることが多いようです。
平和時におけるハイパーインフレは、経常赤字国に対して海外からの投資が行われたものの経済が成長せず、その国への不信感から資金が引き上げられる際に起こります。近年の例では、2018年のベネズエラでのインフレ率は100万%に達しました!
リーマンショック後の先進国による史上初の規模のQEにより資金が溢れ、2009年以降本来なら投資不適格であるような国にも多額の投資が行われてきました。それが、FRBとBOEのQE終了と利上げへの転換、ECBなどもテーパリングを開始し2018年には、エマージング市場から先進国へのレパトリエーションが起きたことで、経常赤字国からの資金の引き上げが起こったわけです。
アルゼンチンは1988年にハイパーインフレが発生しましたが、2018年にもIMFへの援助を頼むほどに状況が悪化しています。ブラジルでも1986年から1994年に発生しましたが、2018年になりその通貨レアルは急落しています。トルコも2018年8月のCPIが17.9%となり、ハイパーインフレへ陥る危険性が囁かれました。
ハイパーインフレに陥ると、中央銀行により市場のコントロールは困難となります。「今井雅人によるFX初心者のための入門・始め方と口座比較」では、こうした可能性の高い格付けが低い経常赤字国であるエマージング市場の通貨への投資はおすすめしていません。
事実、2018年以降トルコリラは下落を続け、2021年11月にはトルコリラ/円は遂に節目の10円を割り込み、トルコリラ/米ドルとともに史上最安値を更新しています。いくら高金利であっても、為替相場の変動でスワップポイントの利益など吹き飛んでしまいます。上記にあるようなハイパーインフレの可能性がある国への投資は決してしないようにお願いいたします!
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