FX初心者向け入門・始め方と口座比較

フォワードガイダンス

英語ではforward guidance(フォワードガイダンス)です。将来に向けてという意味のforward(フォワード)とガイドという日本語になっている案内、手引き、指導という意味のguidance(ガイダンス)が組み合わされてできた用語です。そこから転じて、中央銀行が将来の金融政策を発表することを指すようになりました。

 

政策金利の変更や、維持する期間、購入する債券などの量を発表することでサプライズによる投資家の動揺と市場の変動を抑えることが目的です。FOMCなど中央銀行の政策決定会議で発表されるのが常となっています。

 

動揺を抑えるために先進国の中央銀行が採用しているフォワードガイダンスですが、その解釈は人それぞれです。中央銀行の意思に反して市場が動くことがあります。2018年7月末の日銀のフォワードガイダンスは一見変更なしというものでしたが、その後ステルス・テーパリングの開始だという噂が飛び交ったのは好例でしょう。2019年10月のFOMC後には隠れQEが行わえていると囁かれていました。

 

2021年を例に取ると、ECBが市場へ資金供給量を減らしたにも関わらずラガルド総裁が「これはテーパリングではない」と主張し続けています。利上げに向かうわけではないという市場へのメッセージであり、まさにフォワードガイダンスです。また、FRBもテーパリングと利上げは異なる、インフレは一時的だというパウエル議長が繰り返し述べています。これも、現在のインフレはサプライサイドの問題で起きたもので半導体などの供給が生産基地である東南アジア諸国で新型コロナウイルスが収束すれば急速に回復するはずなので、2022年にはインフレは収束するというフォワードガイダンスです。

 

しかし、11月の米国のCPIが31年ぶりの6.1%という数字となり、2022年の利上げ回数が2回から3回になり、テーパリングも加速化され6月ではなく3月には終了という噂が駆け巡っています。ルーターニュースによると英国でもCPIが4.2%と10年で最大の伸びとなり、12月の利上げが予想されておいます。フォワードガイダンスに市場が従うとは限らないわけです。

 

FXでは実際の発表へのエコノミストの解釈よりも、その発表をヘッジファンドなどの有力投資家がどう考え、どう動くかを読む行動心理学が重要だということですよね。FX入門者や初心者の方は、難しいエコノミストによる論文を時間をかけて読むよりは、そうした噂を集めることに集中した方がよいでしょう。

 

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