米国雇用統計
英語ではCurrent Employment Statistics(カレント・エンプロイメント・スタティスティックス)。アメリカ労働省の統計機関により通常毎月第1金曜日に発表される米国のみならず世界で最も注目される経済指標です。失業率、労働時間、賃金など雇用に関する様々な指標が発表されます。。
このうちFX市場で最も大事な指標は非農業部門雇用者数です。農業以外の職業への従事者がどの程度職につけているかを示すもので、前月比の変動数に注目が集まります。
最近は完全雇用に近づいているためインフレへの関心が強く、非農業部門時間当たり賃金が注目されています。通常は市場予測よりよければ米ドル高、悪ければ米ドル安となります。
しかし、市場は色々な解釈をするので、非農業部門雇用者数の伸び率が高く米ドルが上昇したと思ったら、その後の失業率が悪かったので下落するなど乱高下することが多いので入門者や初心者の方は気をつけましょう。
特にセオリーと逆のご自分の予想と異なる動きをして熱くなると高値買い、その後下がって底値売りとかにもなりかねません。発表からしばらく経ってトレンドが見えてきてから動くことをオススメします。
2018年以降は、米国雇用統計により相場が大きく動くことはなくなっていました。完全雇用に近い状況が続いているためだと思われます。トランプ前大統領のツイートが米国雇用統計に代わってもっとも重要な指標?となったようです。その後の新型コロナウイルスの流行で人員カットが進み、再び注目を集めています。
ただし、上述のように、近年は動きが全く読めなくなっています。2021年12月3日発表の11月雇用統計は55万人増の予想の人に対して21万人の増加と大幅に悪化し、発表直後には米ドル安が進みました。しかし、失業率が4.6%から4.2%へと大きく改善されるとリスクオンとなり、ドルインデックスは下落、円全面安となり、株式も上昇しました。セオリー通りにドル高となったと考えて安値に放置されたユーロ/ドルやキウイ/ドルなどのドルストレートをロングした中級者は高値づかみをしたはずです。
FX入門者や初心者は、雇用統計発表前までにはポジションをクローズして休むも相場が無難ということですね。
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