売り上がり
英語では当てはまる言葉は見つかりませんでした。買い下がりとは逆のケースです。
ブル相場においてそろそろピークだと言う指標が現れた時に、または長く続いたレンジ相場が終了しサポートラインをブレイクすると分析できた際に用いられる投資手法を指します。
最初は少額の資金で売りポジションで参入し、騙しで相場が戻ると手仕舞うこともあります。さらに上昇した場合には売り増しをします。そうした売買を繰り返しながら、徐々に売値を上げていくことから売り上がりと呼ばれています。
株式はもちろん、FXや日経平均などの先物取引、CFDなどで用いられます。
ナンピンとよく間違われますが、ナンピンは予想と反対に相場が上昇して損失を抱えた際に感覚だけで買い増すだけで計画性がありません。例えば1米ドル=110円で売りから入り、120円でなんとなく同量を売り増しすることで平均売値を115円に上げようとする手法です。
それに対して、売り上がりはテクニカル分析や政治・経済要因の分析からピークだと分析できた時に、初めて少量の売りポジションをもち、上げたらポジションを手仕舞い、さらに下げたら再び売りで参入する、そうした売買を何度も繰り返すことでトップを確認、ベア相場に移行したと判断できるまで売り上がるというメソットです。
例を挙げてみると、アップトレンドの際に、ボリンジャーバンドの-2シグマに支えられ1年前にトップをつけたことから110円で売りでエントリーする。109.5円に戻ったので騙しだと判断してエグジット、次には110円を超えてきた110.5円で再びショート、111円まで上げたところでさらに売り増すという売買を繰り返すのです。
しかし、最初にストップ・ロスーオーダーを入れていた112円まで売り上がってもピークを確認できなかったケースでは、最後に持っていたポジションが決済されてそこまでです。FX入門者や初心者の方は、あくまでも天井値を確認するためのメソットだということを承知しておいてください。
売り上がりはファンダメンタルズやテクニカルを判断材料として、トップをつけたと判断される際に試し売りをするというものです。単に踏まれたから売り増しをするというナンピンとはもって異なる手法です。
例えば、2021年11月4日のBOEショックのように、利上げ予想が外れて据え置きになったので、10月まで続いていたラリーは終了したと判断して売りをいれた、これはファンダメンタルズからの判断で決定したわけで、売り上がりとなります。それに対して、154円でロングしていたが、利上げがなくて154円を割ったのでそこでさらに買いをいれた、これは単なるここが底ですぐに戻るだろうという感覚だけで買いをいれたのでナンピンとなります。
つまり、ナンピンは感覚だけに頼っている手法であり、売り上がりは政治・経済要因、チャート、そして行動心理学に基づいた論理的な手法であるということになります。
売り上がりとナンピンは、実は真逆の手法なのです。FX入門者や初心者の方はナンピンは行わず、売り上がりのみを行うようにしてください!
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