インフレーション
英語のinflation(インフレーション)がそのまま日本語になりました、略してインフレです。モノやサービスの価値がお金を上回り、持続的に上昇していく状況を指します。
通常は、好景気により需要が供給を上回る際に需要引下げ圧力が生じ、発生します。モノの値段が上がれば、みなさんのモノを買う気が失せるわけですから、需要は下がりますよね?この物価上昇がインフレです。
経済が成長し賃金も上昇する際に、賃金上昇を下回る穏やか物価上昇が起きるのでしたら、国民はハッピーです。日本の高度成長期がこれに当たります。
しかし、不況下で賃金が上昇しないのに、物価だけが上昇することがあります。これはスタグフレーションと呼ばれますが、非常にアンハッピーな状況です。これについては別途解説していします。
2021年11月15日に公表された、日本の第3四半期GDPがマイナス0.8%、年率換算でマイナス3.0%となり、2四半期ぶりのマイナス成長となりました。一方、原油などを中心に一時的とはいわれていますが、インフレ懸念が世界的に広がっています。日本はスタグフレーションの可能性が先進国の中で1番高いといえるのではないでしょうか?
世界の中央銀行は供給網の混乱により需要が上回っている一時的なインフレだと主張していますが、11月に入りアメリカやイギリスでCPIが30年ぶりの上昇率となると、各国の中央銀行内でもインフレは持続化するという意見も出てきています。
QEは米国では11月のテーパリングの開始により2022年6月には終了します。しかし、それまでは金額は小さくなるとはいえ、資金供給は続くわけです。行き場を失ったマネーは株式市場、商品、仮想通貨などに流れ込んでおり、バフェット指数が節目の100どころか200を7月に超えているのに、S&Pが連日上場高値を更新する中で、相反するはずの米ドルと金が同時に上昇するなど、市場は混乱を極めています。
厄介なのは、温暖化対策問題です。例えば原油の高騰に対しては、米国は自国のシェールオイル生産を拡大すれば何も問題がなかったのが、CO2を排出するのでシェール油田への設備投資を断念せざるを得ません。今までの経済学の常識が通じない過去に例のない世界的な金融緩和の中で、こうした原油価格の高騰を助長する非効率な風力や太陽光などの自然エネルギーの活用が求められています。原子力に対しても3.11以来、各国は消極的です。さらに新型コロナウイルス収束に伴い各国間の往来も増えていきます。原油や天然ガスの価格が下る要因はあるのでしょうか?
インフレが供給網の混乱だけが原因の一時的なものとはなかなか理解しづらいです。円安も加わり、2022年からは日本も30年にわたるデフレの時代からインフレの時代に移行していくのかもしれません。しかし、高度成長期のように給料が上昇しないと悪いインフレになってしまうので、ますます投資や副業が重要になってきそうですね。
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