FX初心者向け入門・始め方と口座比較

ドルペッグ制

英語では a dollar peg(ア・ダラー・ペッグ)という言い方も一応はあるようですが、exchange rates pegged to the U.S. Dollar(エクスチェンジレーツ・ペッグド・トゥー・ザ・ユーエス・ダラー)という表現が一般的であり、和製英語といえるでしょう。

 

peg(ペッグ)は英語では釘のことで、釘付けにするという意味もあります。そこから転じて、経済用語としては、ドルペッグ制を採用した国の中央銀行が、米ドルの価値と連動して自国通貨が上下するように、為替レートをコントロールすることを指します。自国の為替相場が不安定になりがちなエマージングマーケットが採用することが多いです。通貨相場の安定を目的としているわけです。

 

ただし、単に米ドルと連動しているだけでは、経済力がない後進国への資金流入は期待できません。そのため、米ドルよりも高金利を設定するのが常です。そのため、エマージングカレンシー=高金利通貨となるわけです。

 

後進国がドルペッグ制度を採用しない場合は、為替が不安定になることがあります。例えば、現在トルコリラが大きく下落しています。もしドルペッグ制を採用していれば、ドルインデックスとともに上昇し、暴動が起きるような通貨危機的状況には陥らずにすんでいたことでしょう。また、貿易面においても、米国が主要取引国の場合には、為替変動による貿易収支への影響を防ぐことができます

 

そのため、以前は韓国や東南アジア諸国が自国通貨を防衛するためにドルペッグ制を採用していました。しかし、もちろん、デメリットもあります。米ドルと連動しているため、中央銀行の通貨政策の裁量余地が小さいということです。輸出に頼っている国家において米ドル高が進行すると、自国通貨も強くなるために輸出製品の価格が上昇してしまいます。その結果、競合国と比較して輸入国からすると価格が相対的に上昇するために競争力を失い、輸出が急減して、貿易赤字に陥ってしまいます。実際にこの論理が正しいと証明されたのが、90年代後半のアジア通貨危機です。これを機に、韓国や東南アジア諸国は、変動相場制に移行することになったのです。

 

現在では中国の人民元が穏やかな形の変動はなりますが、基本的にドルと連動するように元の対ドルレートを決定しているのはFX入門者や初心者の方もご存知だと思われます。他には中東産油国も採用しているようです。

 

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