南アフリカランド
南アフリカ共和国の通貨で、英語ではSouth African Ran(サウス・アフリカン・ランド)です。トルコリラがFX会社に採用されたのは近年のことですが、このランドは10年以上前から採用されており、スワップポイント狙いの特定の個人投資家の間では高金利通貨として人気がありました。
政策金利は2017年初頭には7%でしたが7月に6.75%、2018年3月には6.5%へと利下げをしています。その後11月には6.75%へ利上げに転じましたが、2019年7月には米国の利下げの影響もあったのか6.5%へと金利は再び下げられました。しかし、2019年に起きた世界的な低金利競争の中では、2018年と変わらぬ金利を維持しています。
トルコ同様経常赤字国で対GDP比率は高かったのですが、2017年には3%を下回り、外貨準備も健全であり、対外債務への支払いも問題がなくなったかに見えました。
しかし、2018年9月4日発表の第二四半期GDPが予想に反してマイナスとなり、リセッション入りしてしまいました。流通量の少ないアルゼンチンやトルコなど他のエマージング通貨のプロキシとして売られる可能性もでてきました。
リーマンショック後2017年まで10年近く続いた歴史的な低金利時代と適温相場の間はまだおすすめできたのですが、FRBに続きECBやBOEもテーパリングに向かい、先進国通貨へのレパトリが起きつつあった2018年にはエマージング通貨に手を出すのはギャンブル以外の何物でもありませんでした。
しかし、2018年11月にFRBのパウエル議長が利上げを2019年には中止するまたは回数を減らすことを匂わす政策金利が適正に近いとの発言をしました。これ以降はレパトリの動きは止まり、2019年には資金は再び新興国市場にも回帰してきました。
さらに「低金利時代のスワップトレードはトルコリラや南アランド、円高水準で参入!」で今井先生が本文で後述されますが、下図のように政策金利の差が10%以上あれば10年後に為替差損が100%でも利益が出るわけです。
そうは言ってもギャンブルに近いので、もしもポジションを持つとしても、少ないポジションで、エントリーポイントをしっかりと見極め、逆指値注文は必ず入れるようにしましょう。また先生が指摘しているように、チャートとにらめっこをして、過去の円高局面まで押し目があった際にエントリーするように心がけましょう!
また、経済と対外債務の悪化により財政状況はよくありません。2019年末時点ではムーディーズの国債格付けの格下げが噂され、資本流出の可能性も指摘されています。
その後の新型コロナウイルスの流行の中、2020年3月のFEDの緊急利下げで歴史に例のない世界的金融緩和となると、上昇に転じました。2021年12月の政策金利は3.75%です。2022年は先進国の利上げが始まるのでやはり、下落でしょうか?
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