GAFAM/FAANG
FAANG(ファング)は、ナスダック市場で最も人気の高い5つのIT株であるFacebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Netflix(ネットフリックス)、Google(グーグル)の頭文字を取って名付けられました。アメリカの放送局であるCNBCのキャスターが初めて用いた際はアップルを除いた4銘柄を指し、FANG(日本語では同じファング)と呼ばれていました。
また、最近ではNetflixを抜いた4銘柄を指すGAFA(ガーファ)という呼び方が定着してきたようです。それぞれが、検索エンジン、アプリ・モバイル機器・音楽配信等、SNS、ECサイトという分野において世界的に独占的な地位(アップルを除く)を築いています。
しかし、2021年11月時点での株価時価総額の順では、アップル、マイクロソフト、アマゾン、テスラ、アルファベット(グーグルの持株会社)、メタ・プラットフォームズ(フェイスブックが改名)となります。テスラがトップ5入りしたのは2021年です。実は、ファングという用語が登場したときから、マイクロソフトが主力のウインドウズ製品を、パッケージ販売形式からネットフリックス型の毎月の課金方式に変更したために、時価総額はFANNG(ファング)を抜いていたのです。そのため、日本では馴染みがないですが、GAFAM(ガファム)という呼称がビッグファイブを表す頭字語となっています。フェイスブックは最近は勢いがないのでテスラに取って代わられることになりそうですね。
2018年にはナスダック全体の4分の1を超えたその時価総額だけでなく、成長率でも群を抜いており、バークシャー、ソロスなどの有名ヘッジファンドがポートフォリオに取り入れています。8月2日にAppleが史上初の時価総額1兆ドル企業となり、9月4日にはAmazonが続きました。
リーマンショック後にアメリカでも1980年代から2000年代に生まれたミレニアル世代は経済的に困窮し、学生ローンの返却にも苦しみましたが、自分達の生活に欠かせないこのFANNG株に投資することで経済的にも余裕ができたといいます。例えば、Amazonを例にとると、それまでもブル市場が続いていたにも関わらず、その株価は2017年5月から18年9月までの僅か1年4ヶ月で2倍となっています。
日本でも氷河期世代がトルコリラやビットコインなどへの投機ではなく、自分たちの愛する会社への投資ができる環境が整えればばいいのですが。日本にGAFAMに当たる会社はあるのか、それともFAANGに投資するべことを推奨するべきなのでしょうか?
中国ではGAFAMに対抗するBATと呼ばれるBaidu(百度、バイドゥ)という2000年に北京で設立された検索エンジン企業、ソフトバンクが創業当初から出資したことで知られる1999年に杭州市で設立された天猫モールで知られるECサイト運営のAlibaba(阿里巴巴、アリババ)、Lineのようなインスタントメッセンジャーサービスとして知られるTencent(騰訊、テンセント)の3社が存在します。いずれもGAFAMのコピー企業ですが、世界最大の人口とGAFAMを締め出す国策により世界レベルでも存在感を示しています。
日本では世界レベルでも健闘しているのはLINEのみで、楽天がECサイトではそこそこの存在感がある程度でしょうか?検索エンジンでは完全にGoogleが支配しているのが現状です。GAFAの株価は2020年の新型コロナウイルス流行以降はさらに上昇を続けています。日本のミレニアル世代も、遂に米国株投資を始めたようです。中高年投資家も米国株に目を向けています。もはやGAFAMを知らない方のほうが少ないのかもしれませんね。
株式市場ではNYSEFANNG+指数があります。メタ(フェイスブック)、アルファベット(グーグル)、アップル、アマゾン、ネットフリックスのFANNGにテスラ、マイクロソフト、エヌビディア、スノウフレイク、AMDを加えたものです。エヌビディアは現在AIブームを巻き起こしています。スノウフレイクはSaaSの代表銘柄、AMDはインテルに代わって半導体銘柄の旗手となっています。
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