FX入門〜初心者が儲ける秘訣は推理力と行動心理学を身につける事!
FXで儲けるには日常生活での推理力の訓練が重要!
今回の「今井雅人流初心者向けFX入門・始め方と口座比較」講義はテクニカルやファンダメンタルズ以上に是非とも知って頂きたい、行動心理学についての記事です。まずは前回の「 FX入門〜初心者は相場観、相場感、相場勘を比較し、2つを身につけよう!」からの続きになりますが、想像力の話から始めていきましょう。
日々の生活で身につけることができる想像力は、推理小説作家の推理力のようなものです。日常生活のなかで、自分の推理が当たるかどうかを楽しむゲームを繰り返す。為替取引にしても株式取引にしても、市場を相手にする投資家にとっては最も大事な訓練になるはずです。入門者や初心者の方にはFXの失敗しない始め方の慣習の一つとして特におすすめします。
相場が動く理由は経済指標の結果ではなく、行動心理学(経済学)
そして、その根底にあるのは行動心理学(経済学)です。マーケットが動く理由はただひとつ。それは、「人がそう思うから動く」です。人が何かを思い、その思いに沿って行動をするために市場は動く。
もっと簡単にいえば、みなが上がると思って買えば上昇するし、逆に下がると思って売れば下落するのです。したがって、市場参加者が何を考えているのか、どう動くのかを事前に分析し先回りすることが、FXに限らずマーケットで勝利するための鉄則なのです。入門者や初心者の方はまずこの事を頭に入れておいてください。
よく、GDPの伸び率が〇〇%だったのでこの通貨が買われるあるいは売られるなどと、もっともらしい理由付けがなされます。しかし、それはエコノミストの仕事です。マーケットで利益を上げるディーラーは、エコノミストとはまったく異なるタイプのプロフェッショナルなのだと、理解しておく必要があるでしょう。
為替ディーラーは、細かい経済指標の結果について、それほど関心をもっては見ていません。
為替のディーラーに必要なのは経済指標を見ることではなく、あくまで「それを受けて投資家がどういう行動を取るのか」を考えることです。経済指標は、入門者や初心者を含む投資家にとって為替や株式などのマーケットを考える材料にはなりますが、それを動かす要因ではないのです。
その要因とは、まさに群集心理学であり、行動心理学なのです。大多数の投資家がどう動くのかさえ理解していれば、市場とは意外と簡単なものなのです。
シカゴ先物取引所のプロの敏腕為替ディーラーは経済指標などには無頓着!
そのように考えるきっかけとなったのは、私がトレーダーになって3年目でしたが、研修を目的としてシカゴに赴いたときの経験でした。
シカゴ先物取引所にはトウモロコシや大豆といった穀物、ブロイラーなどの家畜、貴金属などの商品先物だけでなく、債券や通貨などの金融先物も上場されていました。そして、当時この市場での取引に参加していたディーラーには、実はある種の階層がありました。
いちばん上のランクが債券ディーラー、大学院卒が中心です。次の層は金利のディーラーで、大学卒が多かったです。そして、いちばん下の為替や商品のディーラーは、高卒や中卒が大半を占めていました。学歴など関係なく、一夜にして大金持ちになれる一攫千金のチャンスを狙った人達が、集まっていたわけです。そして、実際にそういうチャンスがあったのです。
では、学歴の高くはないディーラーが中心になって取引される為替マーケットとは、一体どのようなところなのでしょう。実は、当時、為替トレードが行われている取引所の周囲には、外部からのニュースが流れてくる掲示板すらありませんでした。つまり、取引所外の世界からは、情報面で隔絶された世界だったのです。
しかも、トレードを行なっているディーラーは貿易収支を始めとする経済指標についてもまったく見ておらず、無頓着なのです。
そういう彼らが何をベースにして売買をしていたのかと申しますと、「市場参加者がどちらのほうを向いて取引しているか」のみでした。
これには、正直驚きました。なぜなら、私は為替ディーラーの職に就く前は米ドル金利のディーラーでしたが、マネーサプライやGDPなどのさまざまな経済指標をウォッチして、ディールを行なっていたからです。そのため、経済や金融についても一通り勉強していましたし、こうした経済指標がマーケットを動かす要因になるのだと教わってもいました。
ところが、シカゴの為替ディーラーを見ていると、誰も経済指標など気にしていなかったわけです。
シカゴの為替取引所では、ツイテいるボスと大物トレーダーに追随するだけ!
一例を挙げますと、ローカルズという取引所は、どのような仕組みで、どういうことが行われていたのか。
ここの中心には、数人のボスがいます。最初は丁稚として取引所に関わったのがトントン拍子で成功し、いまや自己資金を大きく動かしているトレーダーになっています。この周りには、まだそれほどの大金ではないですが、やはり自分の資金でマーケットに参加している小兵トレーダーがいます。そして、注文を取り次ぐブローカーが彼らを囲み、さらに外側には顧客から注文を受けるブローカーがいる、という4重構造なのです。
ここでの行動パターンは、2つあります。まずは、ボスのツキを見て相場を張ること。狭い取引所のことなので、みな誰がどういうポジションをもっているかはわかっています。あるボスがツイているときには、みながそれに追随したポジションをもちます。逆に、ツイていないとみれば、逆のポジションをもつわけです。
次は、いちばん外側にいる顧客からの注文を受けるブローカーの動きを見て行動することです。この場合の顧客というのは、ポール・テューダー・ジョーンズ、リチャード・デニスという、当時全米で知られていた超大物為替トレーダーです。彼らがフロリダなどから電話で出す注文に応じてブローカーが動けば、「それっ」とばかりにみなが追随するのです。正直、「なんだ、これは!」と思いました。
そこで気付いたことは、相場は人間の欲望の集合体だということです。お金儲けをしてやろうと考えている欲の皮が突っ張った人達がワーワー動いて、マーケットが形成されていきます。そこには、経済指標うんぬんなどというものは、さして大きな意味はもちません。
FX入門者や初心者の方にも理解頂けたと思いますが、まさに大事なことは、相場に参加している投資家が何を考え、どういう動くののかを素早く把握することなのです。
そうした指針が何かないかと考え、行き着いた手法がテクニカル分析でした。そして、これがFXのおすすめのテクニックのひとつだということは初心者の方もご存知でしょうが、その勉強に取り組み始めたわけです。
松田遼司の解説
この第1章4番目の記事では、今井先生はまずは、前回の最後に触れた日常生活での推理力の訓練が重要という事について詳述しています。ファンダメンタルズ分析やチャートによるテクニカル分析と並んで、普段から想像力を磨くように諭している点が、他の元プロ為替ディーラーとの違いと言えるでしょう。
市場参加者が何を考え、どう動くのかを事前に分析し先回りすることがマーケットで勝利するための鉄則というお話は、前回5月のFOMCを例にしてお話した通りです。みなさんも、ぜひとも習慣化してください!
そしてここが重要なのですが、みなさんもエコノミストになるのではなく、ディーラーになるべきだということです。FOMCの結果などはどうでもよく、利上げ率が0.5%ならばどうする、0.75%ならどうするべきと考え、シナリオを立てておくのがマストだということです。
そして、先生のシカゴ先物取引所での実体験が、なるほどと思わせてくれます。自分よりも経験のあるボスやツイているディーラーと同じ行動を取るべきだということです。確かに大物が動いてみながそれに追随すれば、論理的に上がる結果であっても大物が売れば下がるのは自明の理ですよね?
よく入門者や初心者に見られるのは、「これこれこうだったから相場は上がるはずなのに下がるのは相場がおかしい」という負け惜しみです。確かにおっしゃる通りだとしても、相場と反対に動いて損をしては何の意味もないですよね?目的は儲けることなのですから。FXは非論理的な動きをするものなのだと悟りましょう!
うんちく好きのエコノミストではなく、相場感のあるディーラになれるようにがんばりましょう!
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