ハビエル・バルデム(Javier Bardem)松田遼司の映画評論スコア(8点)
92年の『ハモン・ハモン』、08年の『それでも恋するバルセロナ』で共演したペネロペ・クルスの夫となったスペインの種牛。多くの女優と浮名を流すセクシーさで知られますが、演技力も素晴らしくゴヤ賞を5度、ヴェネツィア国際映画祭男優賞を2度受賞しています。
代表作は上記2作の他『海を飛ぶ夢』『ノーカントリー』など。
1969年スペイン領カナリア諸島生まれ。90年に映画デビュー。
92年には6人の男女の愛が複雑にからみあうビガス・ルナ監督の『ハモンハモン』でステファニア・サンドレッリ演ずる熟女やペネロペ・クルス演ずる美少女と愛し合うセクシーな青年を演じ、注目されました。93年には、女を手玉にとりのしあがろうとする男の生き様と末路を描いたルナ監督と再び組んだ『ゴールデン・ボールズ』で主役を演じ、そのセクシーさでブレイクを果たしました。
その後はハリウッドに憧れるスペインの俳優の周りで起こる騒動を描いたコメディ『電話でアモーレ』(95年、97年日本公開)、銃で撃たれパラリンピックで活躍するバスケット選手となった警官を演じた、5人の男女の愛憎劇を描いたペドロ・アルモドバル監督の『ライブ・フレッシュ』(97年、98年日本公開)、現代ラテン文学を代表する作家レイナルド・アレナスの人生を描いた『夜になるまえに』(01年日本公開)などで、セクシーな演技派俳優としての地位を確立していきました。
04年には尊厳死を求めて闘う男を描いたアカデミー外国語映画賞受賞のアメナーバル監督の感動作『海を飛ぶ夢』で主人公を演じ、その演技が絶賛されました。以降出演のオファーが相次ぎ、不気味な殺し屋を演じた、大金の詰まったトランクを巡る殺し合いを描き残酷な描写が話題となったアカデミー賞4部門に輝いたコーエン兄弟監督の名作『ノーカントリー』(08年日本公開)、ノーベル賞作家ガルシア=マルケスの原作を映画化したひとりの女性に永遠の愛を誓った男の物語『コレラの時代の愛』(08年日本公開)、権力欲や愛欲にまみれた神父を不気味に演じた、18世紀末のスペイン宮廷を舞台とした宗教や愛に基づくどろどろした陰謀劇を描いたナタリー・ポートマン共演の『宮廷画家ゴヤは見た』(08年日本公開)、スペイン・バルセロナを舞台とした一人の男と三人の美女との恋愛関係を描いたウディ・アレン監督の大ヒット作品『それでも恋するバルセロナ』(09年日本公開)、などで主役を演じ、スペインを代表する俳優としての地位を獲得しました。
10年にはアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『BIUTIFUL ビューティフル』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞、12年には『007 スカイフォール』で敵役で英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされています。
近年もペネロペと共同主演した『誰もがそれを知っている』(18年)、ニコール・キッドマン共演のアカデミー主演男優賞ノミネートされた愛すべき夫妻の秘密』(21年)などで活躍を続けています。
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