米国ハイパーグロース株銘柄の紹介

ドラフトキングス(Draft Kings)は米国でのオンラインギャンブル認可で急成長の可能性!

松田遼司の次世代のテンバガー候補紹介「ドラフトキングス(Draft Kings)

ABSメルマガ執筆時 2022年12月27日株価11.39ドル

コラム掲載時 2023年12月22日株価35.72ドル

株価上昇率: +214%

「松田遼司の次世代のテンバガー候補紹介」。今回はドラフトキングス(Draft Kings)について、将来の起業家・米国ハイパーグロース株投資家であるみなさんと共に、見ていきましょう。まずはファンタジースポーツとその提供企業としてのドラフトキングス(Draft Kings)について見ていきます。次に、オンラインスポーツギャンブリングやオンラインカジノとその参入企業としての側面について解説していきます。

 

ファンタジー・スポーツとは?

ドラフトキングス(Draft Kings)は、オンラインでのスポーツ・ギャンブル企業です。米国でも英国にならいオンラインギャンブルが合法化されるに伴い、メイン事業となっています。しかし、その起源は1日や1週間限定のファンタジー・スポーツ・コンテスト運営企業です。

 

ファンタジー・スポーツとはその名の通り、自分の好みのプレイヤーで構成された架空のドリームチームで優劣を競うオンラインゲームです。

 

米国5大スポーツであるバスケ、アメフト、メジャーリーグ、アイスホッケー、ゴルフ(NBA, NFL, MLB, NHL, PGA)、サッカー(英国プレミアリーグ、欧州チャンピオンズリーグ)、テニス、プロレス、自動車レース(ナスカ)などのインターネット上でゲーム・コンテストに独自の仮想チームを構成して参加費を支払い参加、パフォーマンスに応じて報酬が支払われるわけです。将棋やチェスなどのオンライン版といえば分かりやすいでしょうか?チェスを舞台にしたネトフリのドラマ「クイーンズ・ギャンビット」を鑑賞された方ならイメージがつかみやすいでしょうか?

 

ただし、ファンタジー・スポーツでは運はもちろん必要ですが技術がより重視される、ギャンブルよりもチェスに近いとされているようです。理由は、選んだ選手の実力は前年の統計に基づき、ポイント化され、ドラフトやトレードも実施されます。頭を使わなければならないということです。

 

結果として、ご自身が一番詳しいスポーツを選択することとなります。草食系が増えてきた日本とは異なり、未だにスポーツが盛んな米国では大人気のオンラインゲーム分野です。

 

ドラフトキングス(Draft Kings)の資金調達の経緯

 ドラフトキングス(Draft Kings)は、2013年にMLBが出資、2014年に$41Mの資金調達に成功し、軌道に乗りました。

 

2015年にはFOXスポーツやNFLのイングランド・ペイトリオッツのスポンサーの食品企業クラフトを中心に$300Mを集めました($250Mは3年間に渡りFOXスポーツの広告費に使用するという条件、FOXはディズニーに買収されたため、現在はディズニーが株主となった)

 

ブルガリアの上場テック企業を買収後にSPAC上場企業との合併で2020年4月にナスダックに上場を果たしました。NBAのレジェンドのマイケル・ジョーダンも投資し、取締役会メンバーとなっています。

 

2021年には市場価値は$20B、130円換算で2兆6千億を超えました!2022年にはオンラインカジノ運営・スポーツギャンブル企業を買収しました。

 

ティッカーシンボルはDKNGでラッセル1000構成銘柄となっています。現在の株価や掲示板についてはYahoo!ファイナンスを御覧ください。最新ニュースについてはグーグルの検索結果を参照ください。

 

ドラフトキングス(Draft Kings)沿革と概要

ドラフトキングス(Draft Kings)は、2012年にボストンで創業しました。同年のMLB開幕日に合わせた1対1で対戦する野球ファンのためのゲームとしてスタートしました。

 

2013に上記のようにMLBが公認、プロリーグに認められた最初の短期(1日から1週間)のファンタジースポーツ企業となりました。これが翌年の大型増資に繋がる成長の契機となったわけです。将来の起業家の方には、関連分野のインフルエンサーやリーディング企業に認められることが成功のきっかけだと理解していただきたいです。当初はそれを目的として会社を運用していくのがよいのかもしれません。

 

2014年には前年度の1週間を対戦期間としたファンタジーゲーム(バスケ、メジャーリーグ、アイスホッケー)の賞金が$50M(約65億円)に達したと発表します。これだけの賞金が獲得できるのならば、本業にできますよね?ユーザー数は1万人ものDAU(デイリーアクティブユーザー)、登録ユーザー数は100万人となりました。創業2年でここまでの数字をあげるのは想像しづらいところです。ユーザーの登録代金だけでも約4億円の収益となりました。

 

業界2位となっていた同年には業界3位のDraft Streetを買収、ユーザー数を1気に5割も増やしました。拠点拡大のため、同社のニューヨークオフィスは残されました。さらに同業のStar Streetも買収、同年末にはNHL公認のファンタジースポーツ企業となりました。

 

2015年にはESPNと3年間の独占広告出稿契約を締結しました。同社のファンタジースポーツをESPNのテレビやネットのスポーツ番組と統合するというもので、スポーツ業界に欠かせない広告主となったわけです。さらに英国のギャンブルを司るギャンブリング委員会の認可を得て、ロンドンにオフィスを設立します。そして2016年にファンタジーサッカーでスポーツギャンブリングの世界に参入を果たしました。

 

DeNAがオンラインオークション企業からゲーム企業に転換を果たしたように、スタートアップには新規事業参入への決断が迫られることが多くあります。本業はうまくいかない場合の転換もありますが、前回紹介したスコッツミラクルグロー(Scotts Miracle-Gro Coのように娯楽用大麻の認可の動きを想定しての参入というケースもあります。

 

ドラフトキングス(Draft Kings)の場合も、米国でのオンラインカジノ事業の認可という動きを察しての行動だったと思われます。将来の起業家のみなさんには、こうした情報をいち早く掴むことが非常に重要だと知っていただきたいです。

 

オンライン・ギャンブリングとは?

 

オンライン・ギャンブリングとは、インターネット上で行われる賭博行為のことです。日本ではオンラインカジノと呼ばれているようです。警察庁のウェブサイトにあるように日本では非合法ですので、ご注意ください。オンライン上でのポーカーや、スポーツ賭博、カジノで行われるバカラ、ルーレット、ブラックジャック、スロットマシーンなどを全て含みます。オンラインカジノは実はオンライン・ギャンブリングの一部ということです。

 

リヒテンシュタインで1994年に初めて開始されたように、米国よりも英国や欧州で盛んです。現在の市場は5兆円を超える巨大な規模となっているようです。米国人のリゾート地であるカリブ海で合法となり、その後米国やカナダのいくつかの州でも公認されました。最大市場の米国ではまだ始まったばかりであり、その成長性は計り知れないでしょう。合法となるには欧州では国家の、米国では各州のギャンブル公認機関の認可が必要となります。

 

欧州では1990年代から人気となり、検索連動型広告企業にとっての大きなスポンサーでした。日本ではFX企業を想像していただくと分かりやすいかもしれません。1997年には200のウェブサイトがあり、市場規模も1,000億円を超えました。

 

英国ではギャンブルは非常に人気があります。ネットフリックスの人気ドラマの英国王室を描いた『クラウン』やベッカムも髪型を真似するほど英国では人気の『ピーキー・ブラインダーズ』をご覧になった閲覧者の方ならばご理解いただけるでしょう。エリザベス女王は王女時代から競馬がお好きだったように、上流階級は『ダービー』などに未だに夢中です。労働者階級にはサッカー賭博が欠かせません。日本ではラスベガスのカジノのイメージが強いため、ギャンブルの本場は米国というイメージがありますが、実は違うのです。欧州や英国が先行しているのも当然と言えるでしょう。英国ではオンライン・ギャンブリングは15年以上も前から合法なのです。

 

ドラフトキングス(Draft Kings)の沿革の続きとオンライン・ギャンブリング参加の経緯

 

ドラフトキングス(Draft Kings)は、前回も触れたように2015年に英国のギャンブルを司るギャンブリング・コミッションの認可を得て、ロンドン・オフィスを設置を計画しました。2016年にファンタジーゲームで競合のFanduelとの合併を発表しますが、翌年禁止されました。市場シェアが90%を超えて独占禁止法に触れたためです。17年末のユーザー数は800万人となりました。

 

2017にはEUのオンライン・ギャンブリングを統括するマルタでライセンスを獲得、EU全体への拡大が保証されました。

 

そして、2018年、理由は定かではないのですが、トランプ元大統領のカジノで知られるアトランティック・シティを擁するニュージャージー州で、オンライン・ギャンブリングが突然合法になったのです!まさしくゲーム・チェンジャーとなる出来事でした。将来の起業家のみなさんにとっては、こうした変化を待つ我慢強さとそれに向けた計画性が重要だとご理解頂けたでしょうか?

 

これを機に、同州で「ドラフトキングス・スポーツブック」を発行、全米初の合法のモバイルでのスポーツ賭博機関となりました。2019にはモバイルでの賭博場をニューヨーク州、インディアナ州、ペンシルヴァニア州など7州に拡大しました。店舗でのギャンブルも、最初は4州、現在はニュージャージー、ミシシッピー、アイオワ、ニューヨーク、イリノイ、コネティカット、ペンシルヴァニア州でカジノを通じて開設しています。

 

2019年にはスポーツ賭博の技術を持つ欧州企業を買収、SPAC企業と合併し、2020年に上場を果たしました。2021年には毎月1000万ダウンロードのポップカルチャーの有名ポッドキャストと契約、ネバダ州のスポーツ賭博チャンネルを買収しました。

 

ドラフトキングス(Draft Kings)の商品

ドラフトキングス(Draft Kings)の商品は、まずは1日または1週間の期限で争われる13のファンタジー・スポーツ・コンテストがあります。初心者から上級者向け、1対1からトーナメント制まで様々な種類が用意されているようです。パソコンからでもモバイル端末からでも参加が可能です。

 

提携パートナーはMLB、NFL、NHL、NBAの4大スポーツ、自動車レースのナスカ、スポーツ専門チャンネルESPNなど多岐に渡っており、どのスポーツのファンでも満足できるわけです。

 

日本では世界で唯一のものであると保証されたデジタル・アートとして知られるNFTでは、史上最高のアイス・ホッケー・プレイヤーのウェイン・グレツキー、QBのトム・ブレディ、テニスのナオミ・オーサカ、タイガー・ウッズなどのアイコンを販売しています。

 

そして、今回ご紹介したオンライン・ギャンブリングが今後の主力商品となっていくことでしょう。添付のサイトによると、オンライン・カジノやオンライン・ポーカーが合法なのはたったの6州に過ぎません。ドラフトキングス(Draft Kings)の商品であるオンライン・スポーツ賭博が認可されているのは26州と首都のワシントンDCです。

 

そして、大統領選挙でも選挙人数が多く重要な州としてお馴染みのカリフォルニア州、フロリダ州、テキサス州などの南部の多くの州ではまだ非合法なのです。オンライン・カジノとオンライン・ポーカーは非合法の州が多いのがご理解頂けたと思います。医療用麻薬と娯楽用麻薬と似た状況であり、スポーツ賭博への抵抗は少ないということです。今後、全ての州で合法化される可能性はあると思われます。

 

上記の3州はNFL、NBA、PGA、MJB、テニスなど寒い地域で人気のアイス・ホッケー以外のスポーツは全て人気があります。この3州が合法化されれば、一気に市場は拡大することになるでしょう。

 

ギャンブルはアルコール同様に依存症になりやすいので社会的に規制されるべきだという意見もあるでしょう。しかし、非合法の方が危険という考え方もあるでしょう。スポーツ賭博についてはスポーツの人気からか、人々は寛大なようです。しかし八百長などの問題もでてくるのでなんとも言えませんが。

 

将来の起業家である皆様方の判断にお任せしますが、市場の巨大さと成長性という観点からは、ウォッチしていても損はない業界と企業だと思われます。

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