ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)は大手ファンド出資の仮想通貨企業!
松田遼司の次世代のテンバガー候補紹介「ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)」
ABSメルマガ執筆時 2023年10月26日株価4.2ドル
コラム掲載時 2024年1月8日株価14.8ドル
株価上昇率: +252%
「松田遼司の次世代のテンバガー候補紹介」。今回はライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)社について、将来の起業家・米国ハイパーグロース株投資家であるみなさんと共に、見ていきましょう。
ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)の資金調達の経緯
ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)社は、ライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)として知られていた米国コロラド州キャッスル・ロックを拠点とするビットコインなどの仮想通貨のマイニング及びホスティング企業です。
世界最大規模の仮想通貨取引所を運営していたFTXが2022年11月に破綻して以来、暗号資産関連の企業の紹介は控えてきました。しかしFTXの破産の原因は仮想通貨自体に問題があったわけではなく、単なる詐欺によるものでした。また、ロイターの記事にあるように、ブラックロックのビットコイン現物ETFが承認されるとの予想によりビットコインが2023年10月24日に1年半ぶりの高値をつけたことから、紹介することにした次第です。著名ファンドのヴァンガードが最大投資家ですが、ブラックロックも出資しています。
ヘルスケア企業のベナキス(Venaxis)として2003年にナスダックに上場しました。ティッカー・シンボルはAPPYでした。2009年にシリーズAで約3億円、2010年には約4000万円を集めました。2014年に約25億円を調達しています。
2018年からはライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)として取引されています。ティッカー・シンボルはRIOTです。ベナキス(Venaxis)ついてはYahoo!ファイナンスのベナキスを参照ください。日本語版は上述の複雑な社史によるためなのか、前身のヘルスケア企業ベナキスの情報となっています。株価や掲示板については英語版Yahoo!ファイナンスを御覧ください。最新ニュースについてはグーグルの検索結果を参照ください。
ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)の概要と沿革
ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)は2000年にアスペンバイオ・ファーマ(AspenBio Pharma)として設立されたバイオマーカー企業でした。血液検査により腹痛を訴え病院搬送が必要な盲腸患者についての診断することができます。手術が必要かどうかを判断できるのは、画期的だったそうです。その後ベナキス(Venaxis)に社名変更をし、上述のように2003年に上場を果たしました。
2013年には上述の血液検査のクリニカルテストで欧州での使用が許可されるCEマークを獲得、2014年には欧州でのAPPI1テストの商業化を開始しました。検査で陽性である場合に実際に病気である確率であるセンシティビティーが96.9%と非常に高いのが特徴です。陰性であった場合に実際に病気でない確率のスペシフィシティーは37.8%と、残念ながらあまり高くありません。510(k)フォームを提出、米国での販売が可能となるFDAによる承認を目指していました。
2016年には次世代膵臓癌診断を商用化していたインド企業ストランドライフサイエンス(Strand Life Sciences)と分子間相互作用解析のための強化された表面プラズモン共鳴技術を持つバイオプティック(Bioptix)社を買収、バイオプティック(Bioptix)に社名変更しました。
2017年にライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)に改名と共に、事業内容をブロックチェーン・マイニングに変更しました。この時点でライフサイエンス事業からは、撤退したようです。ブロックチェーンという人気業種に業種転換したことにより、株価は5倍となりました。業態はヘルスケア企業のままなのにブロックチェーン業だとの見せかけの企業名変更だとして、SEC(米国証券取引委員会)から査問されています。実際には、本当に仮想通貨業に進出したようなのですが、その後もSECの監視は続いていたようです。取締役会や昔からの主要投資家も、当然ですが、非常に動揺したようです。混乱が大きかったようで、2019年までの2年間に3人もCEOが交代しています。
シナジーのある同じ業界での再編は理解できるのですが、ヘルスケア企業がIT企業になるというのは、非常に珍しいケースではないでしょうか?将来の起業家のみなさんにも、「こうした全く異なる業種に業態変更することも可能」なのだとご理解頂ければと思います。
2018年にはオクラホマの施設で初のビットコインのマイニングを開始しました。先物ブローカー業のロジカル・ブローケージ(Logical Brokerage Corp)を買収しました。現在までのところ実現はされていませんが、仮想通貨交換所と仮想通貨先物取引への進出を発表しています。カナダの取引所のコインスクエエア(Coinsquare)など、DeFi(分散型金融)分野のスタートアップ企業にも出資をしています。
2020年1月にはSECの委員会の捜査も終了したと発表、業態変更が本当であると公式に認められたことになります。また、オクラホマのマイニング施設の機械の一部をニューヨーク州のメッセナに移転後、オクラホマの施設を閉鎖しました。世界でも最大級のマイニング施設だとしています。
2021年にはデータセンタホスティング企業やエンジニアリング企業を買収、業容を強化しています。クリプト通貨のマイニング施設も2ヶ所となりました。ニューヨーク州メッセナに続き、ドイツの競合ウィンストン社のテキサス州の世界最大級のマイニング施設を買収したからです。この年には一時的ですが、黒字転換を果たしています。2023年にはライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)に改名しました。
ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)の事業
ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)の主事業は、ビットコインやビットコインキャッシュ、ライトコインなどの暗号通貨のマイニングです。売上の約6割を占めています。その他に売上の約3割となるエンジリアニング事業、約1割を計上するブロックチェーンのデータセンター事業があります。
ビットコインの価格に株価が左右されるので、2022年はビットコインの下落につられて8割以上も下落しました。しかし、2023年は急回復しています。
また、冒頭に書いたように、ビットコインの先物ではなくブラックロックによる現物ETFが認可される可能性が高くなっています。そしてブラックロックと並ぶ世界最大級の資産運用会社であるヴァンガード・グループが同社の株式を10%保有しているのも安心感があります。
競合他社と比較しての強みや弱みまでは分かりませんが、現物ETFの認可の可能性によりイーサリアムからビットコインへと仮想通貨内での人気は移っています。投資家のみなさんにおなじみのヴァンガード・グループが筆頭株主であり、現物ETFを開始予定のラリー・フィンク氏率いるブラックロックも株主となっています。目を離せないハイグロ銘柄の一つではないでしょうか?