ストアドット(StoreDot)が電気自動車普及のための急速充電を可能に!
松田遼司の次世代のテンバガー候補紹介「ストアドット(StoreDot)」
「松田遼司の次世代のテンバガー候補紹介」。今回はストアドット(StoreDot)について、将来の起業家・米国ハイパーグロース株投資家であるみなさんと共に見ていきましょう。まずは資金調達の経緯と電気自動車普及のためのバッテリーチャージャーの重要性について解説していきます。
ストアドット(StoreDot)の資金調達の経緯
ストアドット(StoreDot)は、EV(電気自動車)をわずか5分間で充電できるバッテリーを製造したことで、欧米では話題となっている企業です。「IPO前の同社株の買い方」などのウェブサイトがいくつか目につくほど、評判のようです。。米国ハイグロ株投資家や起業の前にまずは投資で起業資金を準備したい方には要注目企業です。
シリーズAで約8億円をまず集め、シリーズBで2014年に約50億円、15年にさらに約2億円を調達、軌道に乗りました。
その後はシリーズCで17年に約80億円、18年に約25億円を集めます。22年にシリーズDで約80億円を得た段階での企業価値は約2,000億円だそうです。
2021年にはSPAC企業との合併上場の交渉を開始したようです。上場が期待されています。
電気自動車のバッテリー・チャージャーのインフラ充実の重要性
2020年10月に発足した菅政権が2050年までに脱炭素社会の実現を宣言、21年1月に政権についたバイデン大統領が地球温暖化対策に取り組む「パリ協定」への復帰を宣言するなど、「CO2やメタンなどの温暖化ガスの排出量の削減をミッションに掲げるESGが今後欠かせないものとなる」のは間違いがないでしょう。22年2月に始まったウクライナ紛争によりロシアの天然ガス・石油依存にEUも取り組むことになり、この動きは加速化されそうです。
そこで今回は、脱炭素社会実現に欠かせいない電気自動車(EV)普及のキーとなる「電気自動車用バッテリチャージャーの設置」について解説していきたいと思います。
世界的な脱炭素化の流れの中で、添付記事にあるようにトヨタが得意としてきた通常のハイブリッド車は、残念ながら米国政府が対象とする節税対象とはなっていません。プラグイン・ハイブリッド(PHEVs)というバッテリーに充電機能を持たせ、電気自動車としても走行できるタイプのみが優遇措置を受けられるということです。
走行距離が長くなると充電の心配が減るので、バッテリー容量がアップし、電気自動車としての走行距離を長くすることが時代の流れのようです。
また、テスラや風力発電企業などの記事を作成する際にいくつかの英文記事で目にしたのですが、「電気自動車自体の製造、さらにはその核となる電池の製造に使用する材料の精製にも、大量の電力を消費」します。これは「他のクリーンエネルギーにも共通する課題」となっています。しかし、そうした議論は脇に追いやられており、「クリーンエネルギーに邁進している世界の流れを変えることは困難」でしょう。
電気自動車は、昨年の「豪雪の際に北陸道で車が立ち往生した際には、動かなくなってしまったはず」です。「夏でもエアコンをつけていて渋滞にはまると充電不足」になってしまいます。そうした問題はもちろん残るので、やはり「プラグイン・ハイブリッドにまずは移行するのが賢い」と個人的には考えますが、オリンピックの開催と同様に「日本だけで決められる問題ではない」わけです。バイデン政権の誕生とテスラの躍進もあり、「電気自動車へ一気に移行していくことも想定」されます。
つまり、世界的な脱炭素社会実現の流れの中で日本が世界に取り残されないためには、「自動車産業がプラグイン・ハイブリッド車と電気自動車の開発に力を入れるだけでなく、日本中に電気自動車用の充電装置を設置することが不可欠」になってくるわけです。
次世代自動車振興センターのウェブサイトによると、現在日本では電気自動車を扱っている自動車ディーラーやショッピングセンター、高速道路のサービスエリア、道の駅、ホテルなどに全国約21,000箇所の充電所があるそうです。ガソリンスタンドの6割以上にあたるそうなので、予想以上に設置数は増えているようです。しかし、これはあくまでも充電スポットの数であり、スポット毎にいくつの充電器があるかまではわかりません。特に地方のビジネスホテルには駐車場がなく提携駐車場を紹介されることもあり、充電は期待できないでしょう。シティホテルでも充電器の数が今後電気自動車やプラグインハイブリッド数が増えて宿泊車両の5分の1になるとすると、100台の駐車スペースがあると20台の充電器が必要になってくるわけです。
電気自動車の充電装置は以前は東京ミッドタウンの駐車場で目にしたぐらいでしたが、ホームセンターでも見かけるようにはなってきました。しかし、駐車場の駐車スペースの1%にも達していないのではないでしょうか?充電装置の設置数を増やすことが重要なのだと、起業を目指すみなさまにもご理解いただけたことと思います。
設置数の不足以外の問題としては、上記サイトにあるように、「急速充電設備ならば30分から60分で80%充電できますが、通常の充電装置では4時間から8時間もかかってしまう」ことがあります。出力や車種により異なる電池容量で差があるはずなので一概にはいえないはずですが、一応の目安ということなのでしょう。長距離ドライブでの旅行でホテルに宿泊する際には4時間かかっても問題ないでしょうが、移動中に4時間も充電をするなど現実的ではないですよね?つまり、「充電設備の中でもホテルや自宅以外には、急速充電設備の普及が必須」となるわけです。
ストアドット(StoreDot)によると、電気自動車の普及により2020年から電気自動車用のバッテリーの需要が急増するそうです。テスラのイーロン・マスク氏は既に2016年に、「100以上の1ギガワットの電力を供給できるバッテリー工場が必要になる」と予想しているそうです。
電気自動車を普及させるためには、まずは充電器の設置が必要なのだと、ご理解いただけたでしょうか?東京でもイーロンが有名になったからなのか、「テスラを多く見かける」ようになってきました。しかし、高速のサービスエリアで2,3台しかない充電器に繋げたままでレストランに行ったまま戻らない客がいるなど、「日本では長距離ドライブにはまだ使えない」ようです。
ストアドット(StoreDot)の概要、将来性
ストアドット(StoreDot)は、上述のように、「EV(電気自動車)をわずか5分間で充電できるバッテリーの製造・開発企業」として知られています。「EVの充電」には30分ほどかかるので、ガソリン車での「ガソリンスタンドのようにストップ&ゴーができないのが、ユーザーの最も大きな不満の一つ」だったわけです。それが「ガソリン車の給油並みのスピードになる」というのは、どなたにも理解しやすい改善点であり、「ゲーム・チェンジャー」となりうるというわけです。この急速充電バッテリーにより、「電気自動車ユーザーは航続距離の不安と充電のわずらわしさから開放される」と同社は述べています。
このように電気自動車用バッテリーチャージャーで脚光を浴びていますが、実は「フラッシュバッテリーというリチウム電池の急速充電技術がその差別化要因」となっています。小型のスマートフォン用から大型の電気自動車用まで、リチウムイオン電池と急速充電機器を開発・製造しています。「高性能ですが、競合と比較すると、値段は倍」だそうです。
2014年に「30秒でフル充電できるスマートフォン用バッテリーチャージャー」を開発中だと発表しましたが、同社のCEOが述べているように、当初の「試作品はシリコンではなくゲルマニウム製」のため、その技術は「研究所レベルであり実用化には程遠い」と批判されていたようです。この指摘を認めたのか、2019年になり、ようやく「シリコンベースの製品の開発に着手」しました。
これにより、急速充電バッテリーの実用化がようやく見えてきたというところでしょうか?「絵に描いた餅でなくなった」ためか、2022年になり「自動車メーカーの出資が実現」しています。将来性は高くなったといえるのではないでしょうか?
ストアドット(StoreDot)の沿革
ストアドット(StoreDot)は、ある教授の理論に基づきディスプレイやバッテリーの開発を行っていた2人の教授により、2012年に、イスラエルのテルアヴィブで設立されました。現在の本拠地は同地区のヘルツーリアです。
2014年には試作品を発表、2015年のCESではサムソンのスマホのバッテリーを30秒でフル充電し、一躍脚光を浴びたそうです。サイズが厚すぎて実際に使用するのは不可能だったようですが、従来の100倍も早く充電できるのは夢のような話ですよね?2016年までには商品化されるとしていました。
2017年にはダイムラーとサムソンが約60億円の資金調達の際に出資をしました。ゲーム・チェンジャーとなりうる企業が選ばれる「Disrupt100」において「最も影響を与える企業」に選出され、注目を集めました。
2018年にはストアドット(StoreDot)のモバイル機器向けの初製品のローンチが翌年だったにも関わらず、英国の石油大手BPが約20億円を出資しました。TDKも共同開発で提携し、出資しました。そして中国企業のEve Energyのコンスーマー機器向けのフラッシュ・バッテリーの量産体制に入りました。
さらに、「電気スクータ用のバッテリーの商品化と2021年のリリース」、「スマホ用バッテリーの2020年のローンチ」を発表しました。同社によると、「電気スクータ用のバッテリーは電気自動車用のものに比べるとセルが10分の1」しかないそうです。簡単なので、まずはこれからとなったのでしょうか?「5分の充電で100マイル走れる電気自動車用バッテリーは2024年ローンチ予定」だそうです。
上記のように「シリコン製のバッテリーの開発を2019年にスタート」しました。「ゲルマニウム製はあくまでも小ロットの検証用の為の開発」だと認めたのです。
2022年には電気自動車用の「1Gワットを生産できるバッテリー工場を可動させる予定」だそうです。
しかし、テスラのメルマガで触れたような同社が設置したL.A.とサンフランシスコの間の国道101に展開した多数の「既存のバッテリーチャージャーを置き換えることは、現状では難しい」でしょう。「テスラや電気自動車に力を入れている既存の自動車メーカーの傘下に入る事が、現実的」なのかもしれません。その際には当然株価は急騰するので、その前にストアドット(StoreDot)株を仕入れておきたいという投資家が多いのが、上述の同社株の購入方法を示したウェブサイトが現れている理由なのでしょう。
現在の大手の提携・出資先は上述のように石油会社のBP、自動車企業のダイムラー、中国のEve Energyがあります。「インフラ網を整備する」ためには、ルミナー・テクノロジーズがトヨタを手始めに世界の大手10社の自動車メーカーの7社と提携したように、まずは「10社の内の大手の企業と提携または買収されることが、決め手」となるでしょう。いくら製品が高く評価されていても、設置されないことには、電気自動車ユーザーも使うことができないでしょうから。イスラエルの企業なので米国政府も手出しをできないので、電気自動車に力を入れている「中国企業がストアドット(StoreDot)を手に入れてしまうと、今後の自動車産業の行方は一気に変化してしまう」かもしれないですね。
と解説を書いていたのですが、2022年になると、Eve Energyが製造した電気自動車用バッテリーチャージャーをリリース、「ダイムラートラック、ボルボ、インドの大手電気自動車(EV)メーカーOla Electricが次々にストアドット(StoreDot)への出資」を発表しました。ストアドット(StoreDot)が一気に注目を集めています。
かつては栄光を誇った日本の電機機器産業も、今は見る影もありません。ロボットを除くと日本製造業の最後の砦である自動車産業と、孫請けまである多くの下請け企業とのその従業員の雇用を保護するためにも、「政府のテコ入れで日本企業が買収するのが望ましい」のですが、そうなってくれるのでしょうか?テスラに電池を供給し現在はニューヨーク州で共同で工場を運営しているパナソニックや、出資をしているTDKに期待したいです。未来の起業家・米国ハイグロ株投資家である閲覧者の方にとっては、「その動きに目を離せない企業」だと覚えていただきたいと思います。