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ゾルタン・ポズサー 2023年の投資は現金20:株40:債券20:コモディティ:20が正解!

投資の王道の株60:債券40。昨年はどちらもマイナスとなり、ワークしませんでした。今年もゾルタンの提唱した「現金20:株40:債券20:コモディテ:20が正解」のようです。

2022年に続き2023年も株式60:債券40はワークせず!

今年も3/4が過ぎましたが、投資の王道の株60:債券40は、うまく行っていません

株式は、前半は地方銀行危機により資金潤沢な「マグニフィセント7(GAFAM+テスラ、エヌビディア)」への人気集中やAIブームで上昇しましたが、8月からは下落に転じています。以前の記事で書いたように8月下旬時点では「S&P500の上昇は15%、マグニフィセント7が54%、その他493社は4%」に過ぎませんでした。ブラックロックによると「S&P500の時価総額に占めるマグニフィセント7の割合が28%」となり、バナナ共和国と揶揄されています。「マグニフィセント7のみが上昇、他の493社は変わらない」という意味です。FOMC後には下落が加速、9月25日時点の上昇率は12.6%です。

ハマスによるイスラエルの攻撃で年内の利上げがなくなる可能性が高まり10月になり上昇していますが、これは利下げ期待の願望でしょう。しかし12日に発表された9月の米国CPIロイターにあるように、予想の3.6%を上回る8月と同じ3.7%です。「インフレ率は6月を底に再度上昇」しており、FEDによる利下げ予想は来年夏で「Higher for Longerは呪文」となっています。

債券については、もっとひどい状況です。8月頭のフィッチ格下げの影響で市場も財政赤字に目を向けざるを得なくなり、短期だけでなく長期の米国債券の利回りが急騰、価格は下落しました。市場は買いと囃しましたがその後さらに下落、8月中に利益は消失しました。FOMCで来年末の予想金利が4.6%から5.1%に引き上げられ来年の利下げは0.5%と半減すると、下落が加速、10年債券金利は4.5%となりました。

以前紹介した著名投資家のアックマン氏CNBCに書かれているように「インフレ目標は3%、米国30年債券の適正利回りは5.5%」とし、債券売りを継続しています。

10月1日の米国政府シャットダウンは免れましたが、マッカーシー院内総務が辞任に追い込まれ、利回りはさらに上昇しています。米国30年債券の金利は、世界金融危機時の2007年以来の5%をつけました。その結果、ブルームバーグによると、長期債価格はコロナ緊急利下げ時の2020年3月のピーク時と比べると「米国10年債券が46%、30年債券が-53%と2002年のITバブル時の株式の-49%と並ぶ下落」となっています。

ブラックロックは、15年間の低金利の時代が終わり「higher for longer」の新時代に入ったゾルタンによると、彼が作成したリーマンショック後の救済プランによる低金利時代以前の高金利時代に戻っただけ)として、「長期国債をアンダーウェイト、短期国債をオーバーウェイト」にしています。低金利で簡単に儲かる「イージーマネー」にあぐらをかいてきた米国は痛い目に合うという主張は、ゾルタンの予言にあった「現在のプロは高金利時代を知らない」と一致します。

CEOの「ラリー・フィンク氏は、10年債券金利は5%に向かう」としています。財政赤字が膨らみ米ドルを刷っても引き取り手がないので「タームプレミアムが上昇するはず」だとのことです。この意見は、このシリーズで既に紹介していますが、「市場でも遂に認められた」ということです。ブルームバーグにあるように9月26日にニューヨーク連銀発表のタームプレミアムは2021年6月以来のプラスに転じたようです。金利の「Higher for Longer」と米ドルを擦り続け財政赤字を拡大させる「財政政策への懸念」が理由だそうです。

ピーター・シフ氏は「6ヶ月物Tビルが5.5%の金利なのだから10年債券金利は現在4.5%に達したが、長短金利のねじれがない場合の適正金利は6%から7%」だとしています。利下げとQEが再開されるかもしれないが、インフレを加速化させ、長期金利が上昇するそうです。実際「長短金利のねじれは長期金利上昇によりフラット化」してきています。ゾルタンの主張のように彼が生み出した金融商品による金融危機救済で引起された「リーマン・ショック後の低金利時代は終焉し、2007年以前の高金利時代に戻る」ということです。

 債券王ビル・グロス氏ブルームバーグにあるように「米国債券市場は未曾有の3連連続マイナス成長の危機」にあるとしています。「粘着的なインフレと財政赤字拡大で政府がヘリコプターからお金をばらまいている」のが理由だそうです。「バイデノミクス」にはピーター同様否定的で「米国債券投資が今年もマイナスとなるのは間違いなさそう」です。そして債券利回り上昇により株式は割高となり、どちらも魅力がないが「リセッションが起きれば債券の方がマシ」だそうです。

 

ゾルタンの予言どおり現金保有とコモディティ投資は正解だった!

 

そして以前の記事で紹介したように、投資の神様バフェット氏は「現金同等商品である3ヶ月物や6ヶ月もののTビルや現金の保有を増加」させています。株も債券も割高だということでしょう。ゾルタンと同じ意見のようです。JPモルガンのアイゲン氏も、63%をCPなど現金同等商品で運用「米国10年国債利回りは6%に向かう」と発言しています。

Yahoo!financeに書かれているように、著名エコノミストのエラリアン氏も「高金利の時代で債券も株にも痛みが伴い4%〜5%の金利がつく現金で保有するのが正解、金利が高い銀行を探すべきだ」としています。ゾルタンと同じ意見のようです。

さらに「コモディティ価格はゾルタンの予言どおり上昇」しています。原油は下落するという予想が多かったですが、現在はゴールドマン・サックスのように100ドルを超えるという強気派が増えています。以前の記事でゾルタンが予言していた「コモディティのスーパーサイクル」。Yahoo! financeによるとJPMorganのアナリストは、原油はスーパーサイクルに入っており「2026年には欧州のブレントオイルが150ドル」に達するそうです!「2024年は90ドルから110ドル」に留まるとしています。ゾルタンの主張どおりに「原油高は構造的」だということです。

10月4日に原油価格が急落しているのは、ロイターに書かれているように「EIA発表の9月28日の週のガソリン在庫が予想外に急増」したためです。しかしこの「週間ベースの数値は月間ベースの数値の発表の際に改定されることが多い」そうです。これについてレポバンクは「1.理由はわからない、2.分かる人はいない」と意味深の発言をしています。

その後のハマスとパレスチナの紛争で上昇に転じましたが、イランへの60億ドルの供与が批判されているので「イラン原油への制裁を米政府は実施せざるをえない」でしょう。しかしロイター独占記事によると「ベネズエラ原油への制裁緩和」をすすめています。

さらに米国では「10月12日木曜にWTI原油が急落」しました何が起きたのか全く分からずに調べていたら、このニュースを見つけることができましたロイターニュースにあるように、9月最終週の原油在庫が「0.5Mバレル増の予想に対して10Mバレルもの増加」したというのです!原因は2019年と同等の2.8Mバレルに生産が急増したことです。何度も紹介してきたようにバイデン政権はクリーンエナジー政策をとりテキサスの原油企業はゾルタンによると「利益を油田開発にまわさず配当や自社株買い」に振り分けています。リグ数も減っており「統計操作との声」が上がっています

ロイターによると、「IEAが発表した2024年の原油需要予測は100万バレルから88万バレルへの予想引下げ、対するOPEC予想は220万バレルから230万バレルへの増加」であり、乖離が激しくなっています。どちらを信用するかはお任せしますが、WTI原油においてはIEAとバイデン政権の意向を反映するのは確かなようです。

ガソリン価格を下げたいバイデン政権と上げたいOPEC+の対立が反映されており、これでは「サウジと米国との関係復活は困難」なのではないでしょうか?

ハマスとイスラエルの戦争では「サウジ皇太子はパレスチナへの支援を発表」しています。「一般国民はパレスチナ支援が多数であり、これを無視するわけにはいかない」のでしょう。「バイデン政権の目指したイスラエルとサウジとの平和条約締結は頓挫」しています。

 

食料品の高騰については何度も書いていますし、みなさん自身が実感されているでしょう。米国のSNSでは「CPIは本当にたったの3.8%なのか?」という意見があふれています。前回触れたように、金利がつかない金も、米国債券利回りの急上昇にも関わらず、1,800ドルのレジスタンスを割ってくれません

「第1四半期は金に、第2四半期から原油に投資をするのが正解だった」ということです。第4四半期に入り金も原油も下落していますが、短期的な調整だと思われます。

添付資料のチャートで5Yをクリックすれば分かりやすいですが、コモディティ指数はバイデン政権のSPR放出による原油価格の大幅下落で2022年のピークには達していませんが、上昇に転じたのが読み取れるでしょう。第4四半期に入り原油急落で下落しましたが、再度上昇しています。年初の3,300に対して3,600となっています。

 

バイデン政権から独立した立場を取らないFEDと中立のNYFED等の意見は対立!

ボルカー元議長は四面楚歌になりながらも10%もの利上げを断交、リセッションを引き起こし、さらに糾弾されました。「インフレを撲滅したヒーロー」とされたのは、後世の再評価によるもののようです。ピーターの指摘のように、「パウエル議長はバイデノミクスへの批判を行いません」NYFEDが提起した「史上最大の個人の負債」や「R*の上方修正の可能性」、新調査の「1年以内に失業が13.8%」、SFFEDが予想した「米国家庭貯蓄が9月までに尽きる」という警告に耳を傾けようともしませんFEDやイエレン財務長官は「米国経済や雇用は強い」としています。1年以内の失業追加予想が13.8%(自主的退職は除く)に対して、10月6日に発表された9月の失業率は予想3.7%に対して前月と同じ3.8%であり「どちらかが間違っている」と思われます。

ウクライナへの支援反対が55%となった、全米で強盗被害が急増、ホームレスが増加などのニュースを読んでいても、米国の友人と話をしていても「景気が強いという印象はないのに発表される統計が強いのが不思議」です。「略奪が起きている地区の連銀が景気が悪いというのは当然」というニュースも目にしました。ブルームバーグにあるようにサマーズ元財務長官も「FEDのソフトランディング予想は楽観的」と警告しています。

CNNに書かれているように、JPMorganのCEOダイモン氏は「米国政策金利の7%とスタグフレーションという最悪の事態に備えるべき」と警告しています。政策金利が7%とは、現在の5.25~5.5%に比べると金利は1.5%の上昇となり、上記のビル・グロス氏の意見のように「株価は国債と比較して現在よりもさらに割高=暴落」となります。スタグフレーションと合わせると「ゾルタンの予言にあるL字型、暴落とその後のゼロ成長」となります。

 

ウォール街の意見が、ようやくゾルタンのそれと一致してきたようです。いずれにしろ「ブレトン・ウッズ3」体制においては「株だけでなく、最も安全とされてきた米国長期国債への投資もおすすめできない」ようです。コモディティは上記のように指数は上昇していますが「金は高金利が続くと不利であり、原油はバイデン政権のガソリン価格を下げたいという強い意志に翻弄」されています。

 

イスラエルとハマスの戦争がレバノン、シリアに拡大すると原油は8バレル、VIXは8ポイント上昇?

そうはいってもブルームバーグにあるように「戦争がガザからレバノンやシリアに拡大すると、原油は8ドル/バレル、VIXは8ポイント上昇」するそうです。ガザ地区に留まればVIXは上昇せず原油は4ドル/バレル上昇という意見ですが、現在はこの範囲に留まっています。しかし、イスラエルはレバノンのヒスボラやシリアの2つの空港をミサイル攻撃しており「近隣諸国への拡大の可能性は高い」ようです。原油は戦争開始前の82ドルから「90ドルを目指す」ことになります。記事に添付の表によると、イランにまで戦火が拡大すると大変なことになるようなので「戦争が早く収まることを祈るばかり」です。

それでもこうした政治に翻弄されるコモディティはリスクを伴うので、やはり「投資の神様であるバフェット氏の現金比率を高めて金利の高い安全な銀行に預金し、高金利の3ヶ月や6ヶ月のT-billという超短期債券を保有するという投資方法が正しい」のではないでしょうか?

 

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